【レビュー】ピーター・ティールの著作『ゼロ・トゥ・ワン』は起業家の必読書!

世界で最も有名な投資家と聞いて、あなたは誰を思い浮かべますか?

恐らく、多くの方が「ウォーレン・バフェット」氏を想像するでしょう。

そういった方々でも「ピーター・ティール」という名前を一度は聞いたことがあるはずです。最近では仮想通貨のビットコイン(BTC)に関する発言などで話題になった気がします。

今回はいま話題になっている人物「ピーター・ティール」氏の著作『ゼロ・トゥ・ワン』を読んだので内容をまとめて紹介します。

ピーター・ティールとは何者か

 

世界最大のオンライン決済システム「ペイパル(PayPal)」の共同創業者であり、現在はヘッジファンドマネージャーとして様々なテーマに投資している人物。byゼロ・トゥ・ワン

これが「ピーター・ティール」という人物の主なプロフィールです。

彼の投資家としての経歴で最も有名なのは、フェイスブックの最初の外部投資家ということです(映画「ソーシャル・ネットワーク」にも登場)。

また、ティールを含め6人いるペイパルを立ち上げた人物たちは、俗に「ペイパル・マフィア」と呼ばれています。

ペイパル出身者による創業で有名な企業はユーチューブ、テスラ・モーターズ、スペースXなどがあります。

どれも超が付くほど有名な大企業です。ティールのことを「ペイパル・マフィア」のドンだと呼ぶ雑誌もあるというほどなので、彼は中心的な人物なのでしょう。

一方で、彼はかなり複雑な人物でもあるという話もあります。

それを裏付ける有名なエピソードに、フェイスブックが上場してすぐに持ち株をほとんど売ってしまったというものがあります。

我々は空飛ぶ自動車を欲したのに、代わりに手にしたのは140文字だ。

byピーター・ティール

これはツイッターを揶揄した言葉で、ソーシャル・ネットワークの窮屈さや退屈さを嘆いたと言われています。

これらのことから、普通の人からは非常識に思われてしまう一面があるみたいですね。

スタートアップ~起業のために~

ネットワーク効果を狙う企業は、必ず小さな市場から始めなければならない。

 

どんな小さなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。

 

スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数のユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいはまったくいない市場。

これらの記述から分かる通り、ティールが繰り返し主張しているのは、

どんな企業も最初は小さな市場から始めよ、ということだと分かります。

初めから競争を繰り返すよりも、特定の小さな市場でビジネスを展開するほうが利益が出やすいという意味が込められています。

これはブルーオーシャン戦略と同じような意味で捉えることができますね。

次のステップ~規模拡大~

ニッチ市場を創造し支配したら、次は関連する少し大きな市場に徐々に拡大してゆくべきだ。

ライバルのいない小さな市場である程度利益を出したら、次は関連するビジネスへと展開していくのが企業が取るべきステップです。

例として挙げられているのは、誰もが知っている企業「アマゾン(Amazon)」の話。今ではネットショッピングで有名なアマゾンですが、最初は本から始めました。

ある程度の利益を出したアマゾンは本の次に、CD、ビデオなどへとビジネスを広げていったのです。

正しい順序で市場を拡大するには自己規律が必要となる。byピーター・ティール

これが大企業の共通点と語られています。

競争・破壊を避ける

ビジネスを展開する上での注意点は破壊せず、競争を避けること

意外かもしれませんが、独占企業になるためには他社と奪い合うような方向へいくよりも独占できるようなビジネスを創造することに力を注ぐべきというのがティールの理論です。

人生は宝クジじゃない

起業は、確実にコントロールできる、何よりも大きな試みだ。

それは偶然という不公平な暴君を拒絶することから始まる。

byピーター・ティール

人生や企業とは、運や宝クジなどというあいまいな言葉で済ませられるモノではないという意味だと僕は捉えています。

また、成功する企業にはあいまいではなく、明確なビジョンが不可欠とも語られていました、。

良い会社の条件

本書の中では良い会社の条件として以下のような点が挙げられています。

・CEOの給料が少ない

・一緒に働くことが楽しいと思える仲間がいる

・社員に共通の目標がある

簡単ではありますが、これらが良い会社の条件だとティールは語っています。

トップが報酬ではなく会社の為に資金を使い、能力で人を選ばず、同じビジョンがある仲間がいることが何よりも大切だということですね。

これからの伸びる企業

人間の仕事を奪う企業ではなく、人間の仕事を補完する企業

これをティールは補完的ビジネスと呼んでいます。

インターネットや人工知能の発達により、今は人間の仕事に変化が訪れてきている時代です。

ですが、あくまで人工知能という機械は完ぺきではありません。

最終決定は人間が行うべきものであり、それを補完するビジネスが今後は成長していくとティールは考えているように感じました。

誰も解決しようと思わないような問題こそ、一番取り組む価値がある。

byピーター・ティール

これから先、世界にどんな関わりを持っているかを想像できる企業が生き残っていくとティールは語っています。

未来を良くするためには、誰もが見ていない問題に取り組む企業が現れるのをティールは待っているのかもしれません。

『ゼロ・トゥ・ワン』のレビューまとめ

「ゼロ・トゥ・ワン」のレビューについてまとめました。

ここまで読んできて分かる通り、ピーター・ティールという人物は独特の考えと視野で一般の人よりも先の未来を見ています。

僕が今まで読んできた本の著者の中でも最も異質な存在のように感じました。やはり世界を変える力を持った人物は考えのスケールが大きいですね。

これから起業を考えている方や自己啓発に興味のある方にとって、参考になること間違いない一冊です。

今までと違った自分になれる本なので、皆さんもぜひ読んでみてください。