カメラの交換レンズを購入する時、F値(絞り値)を考慮する人は多いと思います。
キヤノンのプロ・ハイアマチュア向けズームレンズの代表的なものでいえば16-35mm、24-70mm、70-200mmの3種類の焦点距離のもの。これがさらにF2.8とF4の2種類ラインナップされています。
今回は最小開放値『F2.8』と『F4』のどちらのレンズを購入するべきか迷っている人向けに、2つのボケや写りの差を比較しながら解説をまとめていきます。
F値に関する基本知識
そもそもF値ってなんのこっちゃという話です。
詳しいことは割愛させていただくとして、ざっくり説明すると以下のようになります。
F値 :小さい → 大きい
ピントが合う範囲 : 狭い → 広い
(ボケの効果 : 多い ← 少ない)
どのくらいのF値まで小さく設定できるかは、レンズの種類によって異なります。であれば、F1.8やF2.8等の買っておいたほうが融通が利くのではと思いますよね。
しかし、F値が小さいレンズにも2つのデメリットが存在するのです。
F値の低いレンズのデメリット
F1.4~F2.8など最小開放F値が低いレンズにあてはまるデメリットは主に2つが挙げられます。
価格が高い
ボケ味が美しく大きいレンズはとにかく価格が高くなる傾向が強くあります。
特にプロやハイアマチュア向けといわれるものはかなり高価になっているものが多く、どのメーカーも共通していえることです。
重量が重い
キヤノンの大三元レンズの1つである望遠ズームレンズ『EF 70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM』の重さが約1,490gです。
これは小ぶりのメロン1個分ほどに該当します。常にバッグに入れて持ち運ぶことを考えるとちょっと気が引けますね。(笑)
一方、小三元レンズと呼ばれる『EF 70-200mm F4L IS USM』は約760g。
つまり、F2.8とは倍くらい差があるいうことになります。この差を容認できるかどうかは自分の体力との相談になりますね。今は一眼レフカメラよりも軽いボディのミラーレスカメラが普及してきました。少しでも機材を軽量にしたいのであれば、ボディをミラーレスカメラにするのも一つの手でしょう。
では上記の2点を踏まえ、そもそもF2.8とF4の写りはどれくらい違うのかを実写比較してみましたので解説していきます。
実写比較
実写比較した作例は以下のとおりです。
※できるだけ同じ画角になるように被写体との距離を調整しています。
本当なら70-200㎜のF4と比較したいところですが、所持していないため参考までにEF 24-105㎜ F4L IS USMで撮影したものを載せています。
ピントを合わせている『1』の隣にある『2』のボケ味の差は少なくなっている印象です。しかし、最も距離が離れている『5』ではボケ味の差が大きく表れる結果となりました。F値の差は1段分しかありませんが、繊細な表現にこだわる人にとってこのボケ味の違いによる影響は大きくなりますので金銭的に余裕があり、重さが気にならない人にはF2.8のレンズをオススメしたいところです。
購入前の時点でF2.8が必要ないと分かっている人は軽量でコストパフォーマンスが高いF4のレンズがオススメ。
F2.8とF4の違いによる実写比較まとめ
レンズの開放値の違いによる比較についてまとめてきました。
F2.8のズームレンズはたしかに重いですが、バッグパックでの撮影時に常に持ち運んでいたせいか、使い始めた頃と比べて慣れてしまった気がします。
個人的にはボケの差はそれほど大きくないかなと感じているので、最終的には写りをどこまで追求するのかと個人の好みやお小遣い事情になってしまうかもですね。
僕もかなり悩んだ末に購入したわけですが、花の撮影時にはとにかく活躍してくれるので本当に買って良かったなと思っています。
実際に購入した『EF 70-200㎜ F2.8L IS ⅡUSM』は今後も使い続けていくのでもっとこういう被写体、シチュエーションでの作例が見たい等のご意見があればぜひ教えてください。
今回使用したカメラとレンズはこちら。