キヤノンが遂にハイアマチュア向けモデルと呼べる凄いミラーレスカメラを正式発表しました。
正式発表されたのは2020年2月から開発発表されていた『EOS R5』とニュースタンダードと名付けられ初めて正体を露わにした『EOS R6』の2機種。
世界初の8K動画撮影に対応した高画素モデルの『EOS R5』は間違いなくプロとハイアマチュアに受け入れられるカメラです。一方、基本スペックが『EOS R5』とほとんど同じ『EOS R6』は動画を撮影しないなら絶対にオススメできるといえるくらい欠点が少なく、コスト的にもバランスの取れたカメラに仕上がっています。
そこで、今回は2機種のスペックの違いや唯一気になっている欠点について解説していきます。
詳細スペックを比較
EOS R5とEOS R6の主な詳細スペックは以下の表のとおりです。
EOS R5 | EOS R6 | EOS R | |
---|---|---|---|
有効画素数 | 約4500万画素 | 約2100万画素 | 約3030万画素 |
映像エンジン | DIGICX | DIGICX | DIGIC8 |
シャッタースピード | 1/8000秒~30秒 | 1/8000秒~30秒 | 1/8000秒~30秒 |
ISO感度(通常) | 100~51200 | 100~102400 | 100~40000 |
連続撮影 | 最高約20コマ/秒(電子) 最高約12コマ/秒(メカ) | 最高約20コマ/秒(電子) 最高約12コマ/秒(メカ | 最高8コマ/秒 |
視野率 | 100% | 100% | 100% |
モニター | バリアングル式 | バリアングル式 | バリアングル式 |
AFシステム | デュアルピクセルCMOS AFⅡ | デュアルピクセルCMOS AFⅡ | デュアルピクセルCMOS AF |
スロット数 | デュアルスロット CFexpressカード SD/SDHC/SDXCカード | デュアルスロット SD/SDHC/SDXCカード×2 | シングルスロット |
撮影可能枚数 (バッテリー性能: 常温) (なめらかさ優先) | ファインダー使用時:220枚 液晶モニタ使用時:320枚 | ファインダー使用時:255枚 液晶モニタ使用時:360枚 | ファインダー使用時:350枚 液晶モニタ使用時:370枚 |
動画撮影可能時間 (常温) | 約1時間20分 | 約2時間40分 | 約2時間20分 |
動画性能 | 8K対応 | 4K UHD/60P | 4K UHD/30P |
Wi-Fi | 〇 | 〇 | 〇 |
Bluetooth | 〇 | 〇 | 〇 |
ボディ内手ブレ補正 | 〇 | 〇 | ー |
ボディサイズ (幅×高さ×奥行) | 138.5×97.5×88.0mm | 138.4×97.5×88.4mm | 135.8×98.3×84mm |
質量 | 約650g(本体のみ) | 約598g(本体のみ) | 約580g(本体のみ) |
メーカー参考価格 | 460,000円(税抜) | 305,000円(税抜) | 220,000円(税抜) |
2018年に登場したRシステム初のフルサイズミラーレスカメラ「EOS R」との比較では、AF性能や高感度耐性、動画撮影機能などあらゆるスペックが飛躍的に向上しています。
操作面ではマルチファンクションバーを廃止し、代わりにマルチコントローラーや電子ダイヤルなどを搭載。従来のハイアマチュア向け一眼レフカメラの操作性に近づいたことで、既存のキヤノンユーザーにも今までどおりの慣れ親しんだ操作が期待できます。
EOS初として新たに搭載されたボディ内手ブレ手補正は5軸分の補正効果。RFレンズとの協調制御であれば最大約8.0段分の手ブレ補正効果にもなるとのこと。
今まで三脚を使わなければブレてしまったシャッタースピードでも手持ちで撮影可能になるかもしれません。
EOS R5とEOS R6の違い
ボディ内手ブレ補正や連続撮影速度などのスペックやボタン配置などのボディデザインがよく似ているEOS R5とEOS R6ですが、2機種の主な違いとして注目したいのは以下のとおりです。
・有効画素数
・動画性能
・EVFの見え方
EOS R5は約4500万画素
新開発されたフルサイズCMOSセンサーを搭載しているEOS R5の有効画素数は約4500万画素で、キヤノンの製品ラインナップの中でもトップクラスの多さ。対するEOS R6の有効画素数は約2010万画素となっています。
有効画素数は拡大時の見え方やデータ容量に影響してくる重要なスペックなので、数字以上に大きな差を感じているユーザーも多いのではないでしょうか。
8K動画対応はEOS R5のみ
開発発表段階から公開されていた8K動画撮影はEOS R5のみに搭載されている機能です。
動画撮影機能に関していえば2つのカメラは明確に差別化されているので、ハイクオリティな映像表現を目的としているクリエイター向けなのはEOS R5だといえます。
但し、動画性能に関してはネット上でも連続撮影時におけるオーバーヒート問題が取り上げられています。実際にどの程度までの連続撮影に対応できるかが気になるところです。
EVFの見え方の違い
EVFのドット数はEOS R5が約576万ドット、EOS R6が約369万ドットと異なります。
ドット数の違いは鮮やかさや見えやすさなどの解像度に大きく影響します。一眼レフカメラの光学ファインダーに慣れ親しんだ人にとってはどれくらい自然に見えるかが重要になってくるでしょう。
気になるバッテリー性能
EOS Rや他社メーカーのライバル機種と比較してもあらゆるスペックが勝っているEOS R5とEOS R6ですが、唯一気になるのはバッテリー性能です。
バッテリー性能の悪さはミラーレスカメラ全体の弱点でもありますが、旧型のEOS Rよりも短くなってしまったのが残念でした。
2機種の発売と一緒に容量の大きい新型バッテリーも登場しますが、長時間の撮影では予備バッテリーを用意したほうが安心です。一眼レフカメラの撮影枚数が順当に向上している一方、キヤノンのミラーレスカメラの新モデル開発ではバッテリー性能が今後課題となるでしょう。
EOS R5とEOS R6のスペックと比較まとめ
キヤノンの新型ミラーレスカメラEOS R5とEOS R6のスペックと比較についてまとめてきました。
プロやハイアマチュア向けモデルと呼ぶに相応しいハイスペックなフルサイズミラーレスカメラに仕上がったことで、今回の2機種をきっかけにRシステムに移行するキヤノンユーザーが増えてくるのではないかと考えられます。
とはいえ、RFマウントレンズにはまだまだ割高感が漂っているのでいきなり完全移行するのはコスト的に厳しそうです。しばらくの間はアダプターとともにEFマウントレンズを使用していくのが無難かもしれません。
既に予約が開始されていますが、発売時期はEOS R5が7月下旬、EOS R6が8月下旬の予定です。
個人的には扱いやすい画素数でスペックと価格のバランスが良い「EOS R6」が気になっているので、価格が落ち着いた頃にキャッシュバックキャンペーンなどが開催されれば本格的に購入を検討したいと思います。