キヤノンが10月下旬発売予定のフルサイズミラーレスカメラEOSRの体験会が9月15日より開催されています。
体験会の基本情報については『キヤノン|EOS R体験会情報』でご紹介しました。
日程は地域によって分かれているので、地方に住んでいる人や時間が無くて参加できない人などもいるはずです。
なので、今回は参加して実際にEOSRを触ってみた感想を書いていきます。
ファーストインプレッション
10時の開場に合わせて到着したのですが既に人々の行列があり、会場後すぐにもかかわらずEOSRの体験は約40分待ち。
来場者特典であるEOSRのカタログやブランドブックを読みながら知識を深めているとようやく順番が回ってきました。
今回の体験は一人5分が目安ということなのでキヤノン社員さんの前で手短に体験。
実際に手に持ってみた率直な感想は「軽い」。
カメラボディに装着されていたのはEOSRと同時発表されたRFマウントレンズの「RF50mm F1.2 L USM」。
ボディが小さいので50mmレンズが余計に大きく見えますが、片手で持った感じでは一眼レフカメラよりも明らかに軽く感じられました。グリップも深めにつくられているのでしっかりと掴むことができ、一眼レフカメラと比較してもホールドに違和感は全くありません。
ファインダーも小さすぎずに見やすい印象で、ライブビューから切り替え時のラグも他のミラーレスカメラと比較して遅すぎるということもありませんでした。
キヤノン店員さんも絶賛していたのが電源オフ時にセンサー部分が閉じる機能。
レンズ交換時などマウント部分とセンサーが露出する場面で、ホコリやごみなどがボディに侵入してセンサーが汚れるリスクが格段に減ります。その他の内容としては、マウントアダプター装着や「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」の交換なども体験することができました。
EOSRが置かれている反対側にはキヤノン社員さんがいるので細かい説明を受けたり質問などができます。
RF24-105mm実写体験
次に体験したのは「RF24-105mmF4 IS USM」を装着したEOSRで実際に被写体を撮影できるコーナーです。
こちらも約40分待ちで体験時間は一人5分が目安。被写体は、下からライティングされた大きな生け花です。
縦位置での撮影や連写撮影など様々なことを試してみましたが、AF(オートフォーカス)は正確でとても速く、ライブビュー時の撮影も特に不満点は挙げられませんでした。フォーカスエリアがかなり広いので指でタッチするだけで自在にピント調整可能となり、これまで以上にオートフォーカスの性能は高くなっています。
RF24-105mmレンズは新品だからか、ズームリングが少し固めな印象。
ただそれ以外はEFマウントレンズの24-105と全く違和感がなく、使用するユーザーが一番多くなるのではないかと考えられます。
プロ写真家によるセミナー
EOSRを実際に使ってきたプロの写真家によるセミナーも開催されているのでそちらも参加。
立ち見が出るほど、会場には多くの人たちが集まっていました。
僕が参加したのは自然風景写真で有名な米美知子先生のセミナーでしたが、どの写真家さんが担当するかは会場やタイムテーブルによって異なるので、お目当ての写真家がいるなら事前に確認が必要です。
以下は米美知子先生が語っていたEOSRについてのまとめです。
・移動距離の長い人にとって軽いのは良い
・様々な情報が表示されるのでファインダーを覗いた状態で設定を変えることができ、撮影に集中できる
・フォーカスエリアが区分けが細かく、細かなピント調整ができるのが良い
・グリップのホールド感良い
・コントロールリングが便利(ISO感度調整など可)
米美知子先生の作品づくりは各地の森を渡り歩くというスタイルなので、多くのカメラボディやレンズが軽量化し、荷物が軽くなるのはかなりのメリットになるのでしょう。プロの視点からみても、フルサイズミラーレスカメラの仕事への導入はアリなのかなと感じさせてくれるような内容でした。
また、EOSRに関することだけではなくプロの写真家の写真に対する考え方など貴重な意見を聞けるので体験会に訪れた人はぜひセミナーも参加することをオススメします。
体験で分かったこと
ここからは実際に触ってみたなかで気づいた点、疑問に思った点を挙げていきます。
レンズの小型化
ミラーレスカメラの長所である軽量・小型はボディだけでは完成しません。
現状では小型なレンズが「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」だけなので、今後は更に小型で高性能なレンズの開発が進められる必要があります。
モードダイヤルの位置変更
EOSのハイアマチュア向け一眼レフカメラのモードダイヤルはボディの左側にありますが、EOSRは右に位置が変わっているので最初はけっこう戸惑ってしまいました。
慣れれば問題ないかもしれませんが、一眼レフと使い分けることを想定すると少しややこしくなるかもしれません。また、背面十字キー部分にあったダイヤルも廃止されています。
コントロールリングがその代役ということになりそうなので、キヤノンユーザーでも使いこなすまでには時間が少しかかるかもしれません。
Fvモードとファンクションバーの使い道
今回初めて導入されたFv(フレキシブル)モード。
Pモード(プログラムAE)の状態から絞り、シャッタースピード、ISO感度など任意の数値だけを変えることができるということなのですが、現時点では具体的なメリットと撮影シーンが思いつきません。また、新搭載のファンクションバーも同様です。様々な機能を割り当てることができ、ホワイトバランスなどの微調整なども簡単にできるようになります。
これらについては実際に使っていく中で次第に分かっていくことになるかもしれないので、やはり慣れる必要があるということですね。
EOS R体験会レポートのまとめ
EOSR体験会に参加した感想をまとめてきました。
正直まだまだ使って試したい気持ちもありますが、実際に触ってみないと気づけなかった点が色々と分かってきたので参加して良かったと感じています。今のところ購入する予定はないですが、今後レンズラインナップが充実してプロ仕様のフラグシップモデルが出れば本格的に購入する可能性は出てきます。
EOSRシステムの歴史はまだ始まったばかりなので、これからどんなボディやレンズが登場してくるのか今から楽しみにしていましょう。