レンズ交換式カメラはカメラボディとレンズに初心者向けからプロ向けまで様々な種類があります。
通常であれば初心者には安い価格で手に入りやすい初心者向けカメラボディとレンズで、仕事で撮影するプロにはプロ向けのカメラボディとレンズという組み合わせになります。
しかし、もしも初心者向けカメラボディにプロ向けのレンズを組み合わせたとしたら、どんな写真が撮れるのでしょうか。以前の記事で僕はカメラはボディよりもレンズに投資するべきだと紹介したところです。
『カメラボディとレンズにお金をかけるならどちらに投資するべきか』
そこで今回は、実際に初心者向けカメラとプロ向けレンズを組み合わせて撮影した作例をご紹介しながら、本当にレンズにお金を投資すべきなのかを確かめていきます。
初心者向けカメラとプロ向け望遠ズームレンズ
撮影で使用したカメラはキヤノンのデジタル一眼レフカメラの中でも初心者向けとなる「EOS kissX5」。2011年に発売された、小さな子供のいるパパママ向けのエントリーモデルです。
合わせるレンズはキヤノンのプロ向け望遠ズームレンズ「EF 70-200mm F2.8L IS USMⅡ」。新型が出た今でも新品では20万円以上もする正真正銘プロ向けのレンズです。
取り付けた見た目はかなりアンバランスに見えます。
kissx5と70-200mmF2.8(ナナニッパ)での作例
撮影した被写体は飛行機です。連写性能が低いため一般的には動きモノに強くないといわれるのがエントリーモデルですが、1枚撮りのシャッター優先で撮影しました。
写真は全てJPEG撮って出し。アップロードの関係上、データを一部圧縮していますが、発色やコントラストは予想以上に好印象です。
特に3枚目は雲が無いおかげで青空が良い色で写りました。拡大図についてもモニター越しでは合格レベルです。
EOSkissX5のセンサーサイズがAPS-Cであることや画素数などの関係上、夜景や暗所での撮影ではISO感度を上げるとノイズが目立ってしまいます。今回は日中の撮影という条件だったのでこのような結果になりましたが、スマートフォンで見るだけなら十分だと感じました。
フルサイズ機と70-200mmF2.8の作例
比較のためにキヤノンのフルサイズセンサー機「EOS 6D markⅡ」と「EF 70-200mm F2.8L IS USMⅡ」の組み合わせで撮影した写真もアップしておきます。
パッと見では差がほとんど感じられないように見えます。広告など大きな写真印刷をしていくと明確な差が出てくるかもしれませんが、発売当時に人気だった「EOS kissX5」の底力を見せられたような感じがします。
エントリーモデルにプロ向けのレンズという選択肢
撮影した写真を振り返ってみると、日中の撮影ならまだまだ「EOS kissX5」でも通用するなと期待することが出来ました。
個人的にはやはりカメラボディよりもレンズに投資したい気持ちは変わりません。あえて不満を言うとすれば画質よりも操作性です。
ボタンが多くて直感的な操作が可能な上位モデルとの差は実際に撮影しているとかなり感じてしまうので、操作性に不満を感じる人は次のステップとして上位モデルを選択する方が良いでしょう。
今回使用したカメラとレンズ機材
今回の撮影で使用したカメラとレンズなどの機材は以下のとおりです。
APS-Cセンサー搭載の一眼レフカメラ「EOS kissX5」とフルサイズセンサー搭載の「EOS 6D markⅡ」ではマウントが違うので組み合わせるレンズは注意が必要です。使用した「EF 70-200mm F2.8L IS USMⅡ」はフルサイズ対応のレンズなのでどちらでも使えますが、EF-Sマウントレンズはフルサイズ機には使えません。
いずれにしても、もっと望遠側で寄って撮りたい人は、あえてフルサイズ対応の望遠ズームレンズとAPS-Cセンサーカメラの組み合わせというのもアリです。
最新の初心者向けカメラは高画質なボディが増えてきているので、予算が限られている人はカメラよりもレンズにお金をかけるほうが長い目で見れば正解でしょう。